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Project - プロジェクト

極域中層・超高層大気の変動と結合過程の研究

地球環境の変動が真っ先に現れる南極上空を1000本のアンテナで見守るPANSYレーダープロジェクト

南極上空の地球変動
シグナルを捉える

中村卓司

研究代表者
中村卓司

最新の電波・光観測技術で見つめる、地球の未来

高度90km付近の中間圏界面と呼ばれる領域は地球上で最も冷たい領域です。とりわけ極域では夏季にマイナス150℃まで冷えることもあります。私たちが通常目にする雲の高度はせいぜい10km程度ですが、大気の密度が地表の100万分の1程度、水分もほとんどないこの中間圏界面でも、極域夏季の超低温下では氷の雲「極中間圏雲(PMC)」が形成されます。21世紀に入ってPMCの発生頻度が増えているという報告があり、地表付近の大気の温暖化に呼応しているのではないかと注目されています。これは一例ですが、極域の中間圏界面を含む中層・超高層大気は、下層からの大気波動と宇宙からの物質の降り込みや太陽活動の影響を強く受けて大きく変動します。本プロジェクトでは、最先端のリモートセンシング技術を駆使した新しい測器を独自に開発して、昭和基地を中心とした地上からこの領域を精密に観測し、地球大気全体の変動、私たちの地球の将来を調べています。

太陽風エネルギーの磁気圏流入に対する
電離圏応答の南北極域共役性の研究

昭和基地SuperDARNレーダー
アンテナの保守作業

南北極同時観測から迫る
オーロラ発生の謎

山岸久雄

研究代表者
山岸久雄

オーロラ現象のより深い理解をめざして

オーロラは地球の夜側、数万~10数万kmの地点で発生したエネルギーの高い粒子が磁力線に沿って南極と北極へ降り注ぎ、大気を発光させる現象です。そのため、同じ磁力線で結ばれる地磁気共役点では、よく似たオーロラ(共役オーロラ)が出現します。しかし、共役オーロラは突然、数100kmも離れた地点に移動したり、光の強さや形が南北極で異なる場合があることがわかりました。また、オーロラに伴う電磁波、電離層電流、電場などの特徴も、共役点では良く似ているものの、細かな違いがあることがわかりました。これら共役現象に見られる南北極の差異に注目し、その原因を詳しく調べることは、オロラ現象のより深い理解につながります。私たちは昭和基地や他の南極基地、アイスランドを中心とする北極域に観測機を設置し、さらに無人観測機ネットワークや極域電離層プラズマの流れを広範囲に測定するSuperDARNレーダーを併せることにより、南北極の広範囲にわたるオロラ現象の共役性の研究に取り組んでいます。

EISCATレーダーならびに地上拠点観測に基づく
北極圏超高層・中層大気の国際共同研究

極地研が国際共同で運用するEISCATスバールバルレーダー(ロングイヤービン、北緯78度)

大型レーダーで超高層
大気変動の謎に迫る

宮岡宏

研究代表者
宮岡宏

超高層大気変動の仕組みを解明

国立極地研究所は、1996年に日本を代表して欧州非干渉散乱(EISCAT)科学協会に加盟し、スカンジナビア北部やスバールバルに設置された大型レーダーを用いて国際共同研究を進めています。この大型レーダー(EISCATレーダー)は、高さ約60kmから1,000km以上の上層大気を幅広く、高精度に観測できる強力な観測設備です。このEISCATレダと相補的な役割を持って、中間圏や下部熱圏を観測する流星レーダーやオーロラ・大気光観測装置なども活用し、超高層大気変動の仕組みを解明することを目指しています。特に、太陽活動の極大期を迎えて増大した太陽からのエネルギーが、磁気圏・電離圏・熱圏や中層大気にどのように流入し、影響を与えるのか、また、それに起因する様々な応答現象を定量的に明らかにします。さらに、幅広い高度の大気のつながりや変動のスケールを調べるため、現在のレーダーの数十倍の性能を持つ最新鋭レーダーに更新する「EISCAT_3D計画」の推進にも積極的に取り組んでいます。